『面接の達人~バイブル版』中谷章宏著 要点まとめ

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今回は転職する方に向けて面接に合格するための最高の知見を共有します。

 

現在、日本で一番人口が多い団塊Jr世代(1971年(昭和46年)~1974年(昭和49年)生まれ)が就職活動をした時期は平成大不況と呼ばれ、就職先が少ないのに若者の数が圧倒的に多い時代でした。※就職氷河期

 

就職活動は大学3年生から始めるのは当たり前、100社エントリーしたが全部落ちた!などという話があったくらいです。

 

そんな時代に”就職面接の極意”の頂点にあったのが、この『面接の達人』=通称:メンタツ です。毎年「面接の達人○○年度版」という新版が出版され、前年先輩の声や事例、新しいムーブメントが取り入れられ、情報が古くならない内容となっています。

 

つまり日本における”就職面接で合格を勝ち取るための最高峰に位置する書籍”なのです。

このまとめ記事を読んで、もっと深い知識を得たいなと思われた方は原書を購入することをお薦めします。それでは始めましょう!

 

 

面接で言うべき事はたった2つ。自己紹介が言えればトップ合格

他の多くの面接本と「メンタツ」はどこが違うのか?ほとんどの面接本はこんな質問をされたらこんなふうに答える、ということが書かれている。そうなると就職志望者は100の質問と100の答えを暗記していかねばならない。それだけ苦労したにも関わらず、ちょっとひねりの入った101個目の質問をされたら手も足も出ない。

しかしどんな問題にぶち当たっても、それさえあれば一刀両断できるのが「メンタツ」だ。

君はたった2つのことを覚えるだけでいい。「自己紹介」と「志望動機」だ。
面接官が一番聞きたいのは「自己紹介」と「志望動機」の2つだけだ。その中で志望動機は難しい。相手の会社のことが良くわからないし未来に関することだからだ。

しかし自己紹介は自分のことであり過去のことだ。面接官が自己紹介と志望動機のどちらを重視するか、それは自己紹介なのだ。自己紹介の中に君たちが気づいていない志望動機が隠されている。

まとめ:面接で言うことは「自己紹介」、自己紹介だけでも通る。

面接は0.1%の争い。小さなエラーを無くす。エラーとは何か。

競争率が5倍くらいまでなら、試験は「通すための試験」だ。就職試験の様に30倍とか50倍になると、試験は「落とすため試験」にならざるをえない。いかにエラーを少なくするかが勝負の分かれ目になる。

毎年行っている「面接の達人塾」ではみんなの前で模擬面接をしている。模擬面接をうけている人よりもそれを見ている人の方が勉強になる。他人がするエラーは、自分のエラーよりもハッキリ見えるからだ。自分ではファインプレーのつもりでも実はエラーであることが面接には多い。

エラーを少なくするためには、エラーを一度経験しておこう。
(練習として志望下位の企業の面接を受けていくも効果的)

経験する前に、エラーをなくすことはできない。

まとめ:エラーがわかれば、エラーをしなくなる。練習でとことんエラーしておく。

武勇談パフォーマンスは面接に効果的なのか?

「やる気を見せるため、面接の最中に腕立て伏せをしたら通った」などの武勇談が伝説っぽく語り継がれている。武勇談が真実かどうかは、この際関係が無い。そんなパフォーマンスに出て失敗した者の話が一つもないことに注目しなければならない。

失敗談が無いのは、失敗談が無いのではく、失敗した人間は自分の失敗を語らないからなのだ。成功の陰にはその何十、何百もの失敗が隠れている。

腕立て伏せをして通った豪傑がいたのはきっと事実に違いない。しかしその人はもともと、ちゃんと自己紹介と志望動機を言えた上でのパフォーマンスなのだ。彼はパフォーマンスをする前に合格していたのだ

パフォーマンスにたよる志望者は、自己紹介や志望動機が言えないので、腕立て伏せをして一発逆転を狙おうとする。惑わされてはならない。

まとめ:武勇談をマネすると必ず落ちる

受ける会社、業種によって言うべき自己紹介と志望動機を変えるべきか?

10社受ける人は10通り、30社受ける人は30通りを準備しなくてはならないのか?その心配はない。たとえいくつ受けようとも君が準備しなければならないのは、やっぱりたった2つ。

まず一つが自己紹介。どんな会社でも通用するのがベストの自己紹介だ。

しかし志望動機はどうだろう?これは使い回しというわけにはいかない。志望する業種が3つあった場合、3つの志望動機があってよい。

しかし君たちが誤解してはならないのは先に志望動機ありきだ。先に志望会社を決め、その後でもっともらしい志望動機を考えてしまう過ちをする者が多い。もっともらしいけどでっちあげの志望動機に騙されるほど面接官は甘くない。

志望動機から導き出される企業や業界なら無理に1つに絞り込まなくてもいくつあっても構わない。会社を選んでから志望動機をでっちあげるとうまくいかない

まとめ:ベストの自己紹介を作ろう。志望動機にあった会社を選ぼう。

自己紹介で言ってはならない言葉は何か?

「私は大学時代に、広告研究会の幹事をしてまして、みんなをとりまとめていくリーダ的な存在で、人脈が広くて、好奇心が旺盛で協調性があって、社交的で、友達が多くて、粘りがあります」という人が面接の99%を占める。

面接官は話し手が「協調性がある」と言っても素直に「協調性がある人」とは思わず、「協調性があると見られたがっている人、協調性に自信がない人」と受け取ってしまう。

自己紹介をしているつもりで自分のコンプレックスを述べるひとが多い。「人脈」などという言葉は学生が使える言葉ではない。現役のサラリーマンでも「俺の人脈が」と言っている人にロクなのはいない。

まとめ:「社交性」「協調性」「好奇心」「指導力」「企画力」は使ってはいけない言葉だ。すべて君のコンプレックスだと見抜かれる。

逆に言わなければならない事は何か?

就職面接において「自己紹介をしてください」という問題で面接官は何を聴こうとしているのだろうか。自分の性格や名前の話、子供の頃の話、出身地の話、すべてが自己紹介だ。それは自己紹介としてはマチガイではないが、面接におけるとなるとマチガイだ。

「面接の自己紹介」で言わなければならないことは
『今まで自分がしてきたことのなかで、一番の自分のクライマックス』なのだ。

そして懐かしい思い出よりは、たった今起こった事件の方が生々しい。エピソードはできるだけ最近の方がいい。その人間が成長しているのがわかるからである。

まとめ:自己紹介で言うべきは、①今までしてきたことのなかで ②一番新しい ③自分のクライマックス だ。

自己紹介と自己PRの違いは何か?

自己紹介をした後、「それでは自己PRをしてください」と言われることがある。そう言われたら、「ああ自己紹介に失敗したから敗者復活のチャンスを与えてくれてる」と感謝して頑張ればいい。面接において「自己紹介」と「自己PR」は同じことなのだ。

面接は、君自身という商品を、買う者に「この人間はお買い得で、きっと役立ちますよ」と売り込みに言っている。ありのままと言っても自分に都合の悪いことまで正直に言わなくてもいい。そんな時間があるなら1つでも自分に得になることを言った方がよい。

「いままであなたが一番打ち込んだこと」

「いままでで一番感動したこと」

「いままでで一番悲しかったこと」

「いままでで一番嬉しかったこと」

「あなたの役割は何ですか」

「あなたを動物に例えると何ですか」

「あなた自身をコマーシャルしてください」

「あなたのキャッチフレーズは?」

「あなたがこれだけは人に負けないものは何ですか?」

「得意、不得意な科目は?愛読書は?・・・・・・」

結局面接官が聞きたい事は1つだけ。「今まで何をしてきたか」であり全て自己PRだ。

まとめ:面接はすべて自己PR。自分の得になること以外言わなくていい。

短所を聞かれたら、正直に答えるべきか?

「君の短所は何ですか?」というイヤミな質問をぶつけられることもある。
そういう時は短所を言うふりをして、長所を言えばよい

短所を聞かれて、正直に「そそっかしいところです」「お調子者です」と答える人も多い。正直に言っても好意的には見られずカルテに「そそっかしい」「お調子者」と書かれてしまう。

「あなたの不得意教科は何ですか」という質問もイヤガラセの質問だ。「英語です」と正直に言ってしまうとカルテに書かれてしまう。「○○より○○の方が得意です」と言えば前向きだ。

「どうして留年したの」「どうして浪人したの」について聞かれたら、その原因ではなくて、その代償を払ってまで得た成果を言う。それが自己PRになる。

まとめ:面接では謙遜は美徳ではない。短所を聞かれたら、短所を言うふりをして長所を言う。

自己PRで卒論の話は不利か?

「卒論のテーマは何ですか?」と聞かれることがある。

卒論の解説ではなく、面接で卒論について言うべきことは「自分の仮説」だ。
「○○は実は○○であることを私は発見した」という言い方のほうがいい。

自分の仮説が合っていようが、なかろうが、そんなことは関係ない。大胆な仮説でもっと話を聞きたいと思わせなければならない。面白い見方ができるかを面接官は見ている。

「信長と秀吉と家康は同一人物であることを発見した」という方が分かりやすい。ひとことでまとめること。

まとめ:卒論について話すときは、タイトルについて言うのではなく自分の仮説を一言で言う

「アルバイトをいっぱいやりました」というのは有利か?

「アルバイトばかりやっていました」これは有利なのだろうか。
アルバイトの話は誰もがするテーマなので有利とは言えない。しかしいかに面白く話せるかにかかっているので切り捨てなくていい。

アルバイトばかりやっていました男の共通したエラーは
①してきたアルバイトの羅列で終わる
②本人はユニークと思っているが、他の人と大して変わらない
③話がつまらない
④本人はプロ並みと言うが、しょせんプロではない
⑤いかに苦労したかに終始する ・・・である。

面接官が一番興味を持って聞いてくれるのがアルバイトのコツだ。
コツはそのアルバイトをやった者にしかわからないのである。
例えば居酒屋のコツは、「2本目のおしぼりを出すタイミング」だ。出てくるメニューとかお客さんの料理の進み具合とか、その日の気温とかを考えながらベストのタイミングを考えなくてはならない。お客さんが「おしぼりが欲しい」と思う直前におしぼりを出す。
2本目のおしぼりを出すタイミングが貴重なコツになる。

まとめ:アルバイトの話は、①数自慢をしない ②ユニークな一つに絞る ③自分なりのコツを言う

志望動機は会社のオベンチャラを言っていいのか?

「志望動機をおっしゃってください」と聞かれる。
「御社は活気があってクリエイティブ力にも優れ・・・」というオベンチャラ男が多い。

志望動機は自己紹介の中にある。

面接官も同じオベンチャラを何百回も聞かされるとウンザリする。
面接は自分を売り込みに行く取引であり「私はあなたの会社をきっと儲けさせますよ、こんな人間とらないと損ですよ」という自分の売り込みだなので、いくら相手の会社を褒めても、自分の売り込みにはならない。

「御社の将来性」ではなく「自分の将来性」を語ること。

まとめ:志望動機にいきづまったら自己紹介に戻る。志望動機は自己紹介の中にある。

会社のことは、どれだけ事前調査をしたらいいのか?

会社のパンフレットやHPで企業のスローガンや就職情報サイトの人事部長の「こんな人材が欲しい」という記事をそのまま丸暗記して志望動機にしている人がかなりいる。
その会社に媚びれば同工多数になるのが当たり前だ。

「その会社の弱いところを調べて、そこをやりたい、というのはどうですか?」弱いからやりたいというのも会社に自分を合わせているという意味で媚びている。
タテマエで押すと必ず見抜かれる。

志望する会社があるのなら実際に行ってみる。お店に行ってみる。メーカーだったら実際に見たり買ったり使ったりする。「実際に行ってみたのですが」から話を始めると話は具体的になっていく。

数多くの会社から興味を持ったのであれば、よほど何かの理由がある。

「あなたはどういう人だから、我社を選んだのですか?」本当はそこを聞きたい。
志望動機は、自己紹介の一部なのだ。

まとめ:入社案内のパンフレットやホームページに書いてある言葉をつかうな。

「僕」が学生らしいのか「私」と言うべきなのか?

社会人にとって敬語は当たり前で、敬語で話せるか話せないかでオトナかコドモか見分けるのである。面接は全て自己PRなのだから「敬語が話せます」ということをアピールした方が得だ。

「僕が・・・」と話すところを「わたくしが・・・」と言い出せば自然と敬語になる。

まとめ:面接官は頭がカタイ。自分の父親以上にカタイと思うこと。ギャグはまず通じない。

自己紹介と志望動機以外のことを聞かれたらどうすればいいのか?

本番では自己紹介と志望動機以外のことも聞かれる。面接官に自己紹介と志望動機以外のこと聞かれても、自分が用意してきた自己紹介と志望動機に結びつけて話せばよい。

例えばバイクについて自己紹介と志望動機について考えて臨んでいた場合、
「米国経済の今後についてどう思うか」聞かれたら、「バイクの日本製品とアメリカ製品の場合に例えると・・」などと、面接官の質問と自分の自己紹介や志望動機を結び付けて答える必要がある。

面接官が聞きたいのは、どんな質問であれ、志望者の自己紹介と志望動機の2つだ。
どんな質問が来ても「私の実体験に結びつけて言いますと・・・」とつなげれば、何にだってつなげられる。

話をするポイントは
①結論の前に理由をだらだら言わないこと
②結論と理由は一言で済ませ、具体的体験の裏付けに時間を割くこと

まとめ:面接はコミュニケーションである事を忘れない。「結論→理由→具体的体験」の順で早く自己紹介と志望動機に結びつける

グループディスかションで大事なことは何なのか?

「やっぱり目立つためにはいっぱい話した方が良いのでしょうか?」
もちろん印象に残らなければ駄目だが、全体のペースを乱すほどベラベラ喋ってはマイナスだ。
「司会をするとリーダーシップが評価され有利ですか?」
一見有利そうに見えるが、意見の調整役になり、結局自分の意見が言えずに終わる。

沢山しゃべるひとは、説明や一般論をだらだら言っている場合が多い。
沢山しゃべった人の後で、ユニークな意見を短くバシッと言うひとの方が目立つ。

意外に差がつくのが、自分が喋っているときではなく、聞く態度である。

グループディスカッションでは、他の人が言った意見を、評論してつぶしてはダメだ。他の学生が言った意見をふくらませていくような意見を言うことだ。

もうひとつは、賛成か反対かの意見では、常に賛成で「世の中を面白く、楽しくしていく」方向に向かっていく意見でなければならない。

否定的な意見を言うのは簡単だ。「不況になる」「厳しい時代になる」という意見の中で前向きな意見を発言する。好印象だ。

AとBの2案ではない3案目のC案を出していけることが大切だ。

そして皆が話しやすい空気を作り、困った発言が出た場合、フォローする発言をする。こういった姿勢を面接官は一番見ている。

サッカーをやっている時と同じで、自分の言うことを一生懸命考えるのではなく、俯瞰して客観的にみてることが大事だ。会社はリーダーになるひとを求めている

まとめ:「グループディスカッションに参加したみんなで合格するんだ」というつもりで進める。リーダーシップを面接官は見ている。

座る前に、勝負は決まっている

座る前に勝負は決まっている。

例えば、姿勢の悪い人は、やはり話が折れている。あちこちいってしまう。
目線が安定しない人も話があちこち行ってしまう。
だから勝負は座る前に決まっている。

通る人は姿勢がいい。

まとめ:通る人は姿勢がいい。姿勢が良くなると目線が安定する。100人いても目立つ。

他に何か質問はありませんか?と聞かれたら

面接の最後に、必ず聞かれることがある。
「それでは面接は終わりますが、何か質問したいことはありませんか?」
この質問には大きな落とし穴がある。

もう終わりと思って「有給休暇について教えてください」という質問をしてしまう

面接官は「これで面接を終わりますが」と言って君たちを安心させ本音を見抜こうとしている。

「ほかに何か質問はありませんか」という質問の本当の意味は「あなたが我社に対して一番関心のあることは何ですか」ということなのだ。
君の質問で熱意を見せること。この1分のロスタイムで、差がつく。

最後の一秒まで、チャンスを無駄にしてはならない。

まとめ:「他に何か質問は」と言われたら、やりたいことの周辺の質問をして熱意を示そう

役員面接では何に気をつければ良いのか?

役員面接で気をつけなければならないことは5つだ。
①もう内定の手前だと気を抜かない・・役員面接は好き嫌いの要素が強くなる。だれか一人でも「この男は面白い」と拾ってくれたら平均点が低くても内定をとることができる。
②積極的に攻める。
③役員面接になると人事の人は見方だ。人事部のひとが味方なのだという意識を持ってお世話になろう。
④基本的には1次面接と変わりない
⑤役員面接という空気に飲まれないことだ。

まとめ:役員面接でも、競争率はまだまだ高い

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読んでいただき有難うございました。

今回紹介したのは、面接の達人の極意のエッセンスです。具体的事例や詳細な解説は原書にしっかりと書かれていますので、ぜひご購入ください。

きっと今回だけではなくこれから幾度とある人生の転機の強い味方となってくれると思います。

【GLOBIS知見録】リーダーへの道を切り拓く~講演会~

 

プロフィール
この記事を書いた人
Masa-kun

【X】https://twitter.com/masa_m2「販売職×食」業界の専門家|経歴:生協、GMS、食品SM|職務:バイヤー、店長、ネットスーパー、マーケティング(MD立案)|「販売職×食」業界の歩き方、昇り方、渡り方について発信します。【電子書籍】アラフィフ転職・完全ガイド・・50代からの転職。キャリアを総決算し新しい働き方を提案します。

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