コロナのパンデミックで食生活が変わったように思います。
外食も良いけど、自宅で食を楽しむシーンが増えたり・・。
スーパーマーケット業界全体ではどんな変化があるのですか?
この記事では、そんな質問に答えたいと思います。
本記事の信頼性
私は「販売職×食品」業界で、これまで2回の転職に挑戦してきました。
✅1度目は24歳の時”スケールアップ”転職
地域生協から一部上場GMSへ・・売上規模20倍の企業への転身
✅2度目は30歳の時”ステージアップ”転職
一部上場GMSから県域一番の食品SMへ
売場責任者(主任)→バイヤー、店長、事業責任者へ
タイプの違う3つの食品小売企業で経験を積む業界のプロです。
【Twitter】https://twitter.com/masa_m2
2022年に業界知見をまとめた著書
「スーパーマーケットの新潮流」を出版しました。
そんな私がスーパーマーケットの具体的なビジネスモデルについて解説するシリーズです。
それでは本記事で取り扱う内容の紹介です。
今回は公開されている中で一番新しい2022年度版のスーパーマーケット白書から業界での変化を簡潔に解説していきたいと思います。コロナ禍で日本人の食生活はどんな変化があったのか?
それでは行きましょう。
パンデミックがもらたした食生活の変容
前回でも示したように、2020年~スーパーマーケットの業績は大きく上昇しており、パンデミックで好景気になった業界のひとつであった(他にもリモートワーク需要やデリバリー業界などと並び)。不況や災害に強い業界であることが証明された事例とも言える。
その原因としては、コロナパンデミックによってステイホームを強いられた影響で、食品支出が外食から内食へシフトしたことが挙げられる。
消費者調査によれば、外出支出の減少分の使い道において一番多かったのが「食品購入などの食生活に関連した支出に使っている(33.5%)」という回答であったが、旅行レジャー関連支出での同様の質問では他の出費にスライドせず「貯蓄に回す(29.3%)」が一番多いなど傾向がやや異なっている。
内食に対する年代別での違い
内食率は2020年の3月から初回の緊急事態宣言中に急上昇し、解除後も高い水準で推移している。中でも内食率が低かった20代~40代も感染拡大前に比べ5%近く内食率が高く推移しており、「調理疲れ」というワードが出たのもこの頃であった。
次に21年12月の消費者調査を見てみよう。
これを見ると、21年12月の時点で自宅での食生活に「満足している」が46.5%、「不満」と答えた人はわずか11%にとどまった。
理由としては、感染拡大から2年目に入り内食生活にも慣れてきただけでなく、スーパーマーケットでの惣菜部門の強化、「おうちグルメ」提案や全国各地の名産品の販売、冷凍食品の進化、テイクアウトやデリバリーの活用など、生活者の選択肢が格段に増え、高く評価されていることが背景にあると想像される。
長期化する巣ごもり生活で感じた内食のメリットとデメリット
それでは生活者アンケートを見てみよう。
生活者が巣ごもりで発見した食生活のメリットとしては
①感染対策として安心
②家族で一緒に食事ができる
③食費が少なくなる
④栄養・健康に良い食事がとれる
デメリットについては
①メニューを考えるのが大変
②調理するのが大変
といった回答が多かった。高齢世帯は感染不安に対し、塩分コントロールや発酵食品と積極的に取り入れるなど内食を通じた健康管理意識が高まったとみられる。
子育て世代は時間が無いことや調理経験が少ないことを背景に調理に対する負担の高さが回答に表れたと考えられる。
年代で差が出る食生活ではあるが、総じてメリットと感じる回答が「家族と一緒に食事ができる」というものであった。人生や生活の価値観の変化がこの項目に見られる。
パンデミックがもららした食のトレンド
パンデミックがもたらしたトレンドとして「栄養・健康消費」がある。これは運動不足やストレスで「コロナ太り」と言われる体重の増加や体調を崩す人が増えているためである。
一般社団法人日本生活習慣病予防協会が2021年3月に行った医師に対する調査結果によると、半数以上の医師が「糖尿病を診断する基準として重要なHbAlcの数値が悪化しており、糖尿病リスクが高まっている」と回答している。
そんな中、栄養バランス食がヒットした。※以下データ
2021年 売れた物ランキング | ||||
順位 | カテゴリー | 2021年前年比 | 2020年前年比 | 2021年 2019年対比 |
1 | オートミール | 291% | 281% | 818% |
2 | 麦芽飲料(ミロ) | 182% | 135% | 245% |
3 | 玩具菓子 | 137% | 155% | 212% |
4 | プロテイン粉末 | 131% | 143% | 187% |
5 | しわ取り剤 | 124% | 82% | 102% |
6 | ヘアトリートメント | 122% | 104% | 127% |
7 | 解熱鎮痛剤 | 121% | 98% | 119% |
8 | ノンアルコール飲料 | 117% | 106% | 125% |
9 | 冷凍水産 | 116% | 151% | 176% |
10 | 血圧計 | 115% | 113% | 130% |
コロナ禍で特に注目されたのが、オートミールやプロテインバーなどである。
オートミールは欧米では一般的な食品ではあるが日本では定着していなかった。
2019年は6.3億円だった市場規模は2020年には18億円、2021年8月までの段階で30億円を超え5倍以上となっている。主食としてはもちろんデザートにも活用された。
食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が豊富でかつ低カロリーな面もポイントで若年層に加え中高年にも裾野が広がった。
オートミールに続いて人気を集めたのが麦芽飲料のミロ。これまで子供向け商品として認知されてきたが、鉄分を多く含むとあって貧血予防や体力増強などを目的とした大人たちの消費が急増。特に美容や健康に敏感な女性たちの消費を伸ばした。あまりの人気に供給が追い付かず2020年秋から年末にかけて品薄となり、一時販売休止になった。
4位のプロテイン粉末も続伸し両商品とも2019年に比べて市場規模が約2倍になっている。
ノンアルコール飲料市場の伸長
2020年は自宅での食事機会が増えたことで「家飲み」が話題になったが、2021年は「健康」の要素が新たに加わった。「コロナ太り」の一因として指摘されたのが「宅飲み(家飲み)」である。
健康に気を配りながら家飲みを楽しみたい消費者から支持された。
健康を意識したハイカカオチョコレート
ランキングには登場していないが、カカオ含有量70%以上のハイカカオチョコレートは健康意識が高まる中でさらに人気を集めている。
ハイカカオチョコレートはカカオポリフェノールやテオプロミンという苦み成分を多く含み、健康不安を抱える人の多い中高年層の伸びが目立つ。
健康志向の追い風を受け、季節を問わない食品になりつつある。チョコレートがもっとも売れるのは冬場であるが、ここ数年は気温25度を超えてもチョコ支出の伸びがみられる(夏チョコ現象)。季節を問わない健康意識からの需要が見られる。
調理負担の軽減に貢献した進化する冷凍食品
今や美味しくないの代名詞は「冷凍食品」ではなく、冷凍食品は家で作れないごちそう、かつ経済的というポジションを獲得しつつある。
消費期限も長いことから好きな時に好きな人と簡単に美味しい食事ができるコンセプトの商品も出てきている。こちらについては詳しく商品を解説しているので、下の記事を参考にして欲しい。
まとめ
家庭内の食品需要が高止まりしており、スーパーマーケットで堅調な販売推移が続く一方で、2020年4月以降、客単価(1回当たりの買物金額)は増加しているが、来店客数(来店頻度)が低い状態が続いている。
特に買物頻度の高かった高齢増が感染予防のためにスーパーマーケットの利用回数を減らしたことが原因であるが、反面若年層はリモートワークの広がりにより買い物の利用回数が増えているトレンドも見逃せない。
最後に・・・地域を支えるスーパーマーケットの役割
「今後積極的に購入・利用することで応援したいと思うお店はどこか?」という質問に対し、「地域のスーパーマーケット」との回答は全体の7割を上回った。
「新しい生活様式」「ニューノーマル」の生活スタイルが浸透するにつれ、スーパーマーケットは地域にとってなくてはならない存在であることが、お客様の間にさらに浸透していると言えるだろう。
非接触の決済手段を求める声がある一方で「店員さんとのコミュニケーションもあった方がいい」「年老いた両親がいつもスタッフさんに挨拶されることを喜んでいた」など、地域の憩い、交流の場、コミュニティとしてスーパーマーケットが果たす役割の大きさを再認識する声が寄せられており、スーパーマーケットに寄せらせる期待は今後も大きい。
「販売職×食」業界で働いてみませか?
新卒で入った会社での自分の成長が感じられなくなりました。
先輩社員を見てると自分の将来が心配で・・。
若いうちに有益な経験を積んでおきたいと思い転職を考えているのですが、どう進めるのが良いのか・・悩んでいます。
そんな方にスーパーマーケット業界をおすすめします!
スーパーマーケット業界で働くメリットは、
【業界の特徴】
①仕事の汎用性が高く、現場のスキルを獲得することで日本中どこのスーパーでも正社員として働くことができます(専門性がある仕事)。
②”お客様のおいしい笑顔と健康をつくる”他者貢献の仕事です。
③”食べる”は不況に強い。コロナ禍ではむしろ売上が伸長する等、世の中の情勢に左右されにくい安定した業界です。
④お店の仕事だけではなく仕入担当(バイヤー)、物流管理、施設管理、人事総務、関連会社への出向など幅広い仕事をすることができます。
そんなスーパーマーケット業界にナビゲートします!
1st.転職への戦略を練ろう!
まず転職をすることを決意した時にはスケジュールを組む必要があります。
会社に退職の意思を示してから8か月以内に就職するのが良いと思います。
上図を参考に、ご自身のスケジュールをイメージしてみてください。
何だか心のモヤモヤが晴れ、ワクワクしてきませんか?
2nd.最強の「転職・攻略の書」と共に準備を進める
日本で最も就職が難しかった時代のことを「就職氷河期」と言います。
バブルがはじけ、先の見えない長い不況に入り(失われた30年と言われる)、しかも子供の数が一番多かった団塊Jr世代が就職・転職活動をしていた時代です(1995年~2005年)。
その時代に最も有名で、最強の書と言われていた本が「面接の達人(通称:メンタツ)」です。
私もこの本を参考に転職を成功させてきた1人であり
履歴書はどんなことを書くのか?面接ではどんなことを話すのか?それは”2つ”に絞られる
ということが分かりやすく書かれており普遍的で読みやすいのでおすすめです。
【中谷章宏さん紹介】~リーダー論の講演より~
↓ 「面接の達人」の内容を詳しく知りたい方はコチラの記事をご覧ください!
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スーパーマーケット業界のすべてを解説
今回も最後まで読んでいただき有難うございました。
今後も有益な情報が提供できるよう頑張ってまいります!
スーパーマーケットのビジネスモデル シリーズ