
今回はスーパーセンターであり会員制ディスカウントであるコストコについて解説していきたいと思います!
同じ食品小売業界でありながら異次元のビジネスを展開しているコストコについて、分かりやすく、子供たちの自由研究にも活用できるよう解説していきたいと思います。
本記事の信頼性

私は「販売職×食品」業界で、これまで2回の転職に挑戦してきました。
✅1度目は24歳の時”スケールアップ”転職
地域生協から一部上場GMSへ
✅2度目は30歳の時”ステージアップ”転職
一部上場GMSから県域一番の食品SMへ
売場責任者(主任)→バイヤー、店長、事業責任者へ
タイプの違う3つの食品小売企業で経験を積む業界のプロです。
【Twitter】https://twitter.com/masa_m2
2022年に業界知見をまとめた著書
「スーパーマーケットの新潮流」を出版しました。

東京・神奈川のコストコ買物代行
Huskycart(ハスキーカート)
【コストコモデル】商品からは利益を取らないが会費で利益を取る
💡コストコの市場データ
💡日本のスーパーの一般的な利益率データ


これらのデータから分かることは(コストコについては10年前の少し古いデータになりますが)、コストコの荒利益率(売上高-仕入高/売上高)が12.8%、営業利益率(荒利益高-運営経費/売上高)は2.8%というビジネスモデルであるということです。
下記表にまとめた通り、日本の一般のスーパーマーケットと比べて大きく違うことが分かりますね。
荒利益率 | 営業利益率 | |
コストコ | 12.8% | 2.8% |
日本の一般的なスーパー | 26.0% | 2.0% |
また上記資料より、営業利益の76.6%が会員費収入であるところを見ると、商品販売での利益はあまり取っていない(仕入れに対し利益をあまり乗せていない)ということが数値からも分かります。
ちなみにコストコの年会費は4840円(税込み)です。
決して安くない年会費なので、頻度高く買物に来ないと元が取れない仕組みです!
【検証】日本の食品ディスカウントと比べても安いのか?
今回、私は実際にコストコで商品を購入し、市場価格が変動する生鮮食品ではなく、一般的な価格が決まっている調味料について、コストコと日本で安いと言われる食品ディスカウントを比較してみました。
ミツカン味ぽん優良ディスカウントストア 600ml280円→税込302円 1000ml換算→税込503円
コストコ 1000ml→税込399円
叙々苑焼肉のタレ 優良ディスカウントストア 240g480円→税込503円 600g換算→税込1295円
コストコ 600g→税込1248円
こちらはどちらも日本で有数の食品ディスカウントの価格です。
実際にお店に行って見ていただくと分かり易いと思いますが、かなり安いディスカウントです。
日本を代表するディスカウントより安いのがコストコという結論になります。
安さの秘密一つ目は、そもそも会費を貰っているので、利益を低く設定することができること。
そして2つ目がコストコオリジナルの大容量パックであるということです。
PB(プライベートブランド)商品とは
小売企業がメーカーに依頼して作ったオリジナル商品のこと。基本的には商品仕様を小売り企業側が指定し、製造ロットを全て買い取ることで、通常メーカーに掛かっている研究開発費や宣伝広告費、小売業各店へ仕分けし輸送する為に委託している卸へ支払うの物流管理・決済代行費などが無くなるため、商品原価を大幅に安く仕入れることか可能になる。
コストコの商品は、日本では認知がある商品であったとしてもコストコにしなない大容量規格(PB商品化)になっている為、製造ロットを全て自社で買い取り、メーカー直で仕入れることで、仕入れ価格自体も安くなっている素晴らしいモデルです。
恐らく、日本で同じ商品を置いても売れないでしょう。大容量を販売しているお店であると分かった上で会員費を払って買いにきているお客様だから買っていただけるのであって、普通の日本のスーパーで定番品として置いておいても売れないはずです。
※でも、週末企画としてのコストコフェアは売れますよ!
【コストコモデル】1個の値段が高い
食品小売業のプロを自称する私が見ると、コストコで圧倒的に驚くのがその一品単価です。
日本では「こしょく」と言って「小食」「個食」「孤食」と色んな表現がありますが、小分けにして必要な分を購入できるスーパーの方がいいよね、という価値観があります。
うちのスーパーは、欲しい物を欲しい分だけ買えますので、冷蔵庫代わりに使ってください
という価値です。日本では1品あたり200円の商品を平均10個、1人が1回にする買物合計は2,000円と言われています。
対してコストコは、お店で買物をされた経験がある方は分かると思いますが、1品単価が1,000円を超えています。1,000円未満の商品はあまりありません。しかも生活に必要なモノを揃えようとすれば(肉、野菜、魚、乳製品、調味料。生活雑貨、菓子、お酒、パンなど)日本のスーパーと同じ様に最低10品は購入する必要がありますので、最低でもコストコの客単価は10,000円を超えていると思われます。(参考資料:私のレシート)
会員費を支払い、買えば買う程、会費を回収することが出来て、買えば単価あたりで見ると地域で一番安く買うことができる、しかも全て大容量なので支払い金額は高くなるという仕組みです。これで売上が最大化されています。
【コストコモデル】倉庫型の店舗
コストコを見ていると、店舗も物流センターも知っている私からすると、物流センターを改造した店舗に見えます。陳列している棚がセンターの在庫棚(ネスティング)だからです。
世界中の、そして日本の人気メーカーでオリジナルのPBを作ってもらい、製造ロットを日本中のコストコ店舗に振り分け、パレット毎に棚の在庫として入れているのです。
大型の商品も在庫として持てるので、例えば電化製品やキャンプ用品や家具なども販売できる、結果として魅力のある品揃えとなっています。
コストコは、海外出身の方からすれば買い易く安いスーパー、日本人からすれば、何だか海外旅行でもしているかの様な雰囲気と食文化を楽しめる空間になっています。海外の方も日本人も両方多い、両取りできる店舗になっていることが本当にすごいし、日本のスーパーでマネをすることが出来ない理由はそこにあります。
まとめ
今、日本のスーパーの惣菜開発現場では、コストコ商品を真似する事例が多く見られます。
シンボリックなところで言えば、プルコギやピザ、ハイローラー、サーモンポキなどは日本のスーパーでも見られるようになりました。(売れているかどうかは不明ですが)
またストック型の大型商品や冷凍食品なども増えてきており、コロナで変わった生活様式の中で「週末のまとめ買い」という西洋と同じ文化が根付いてきたのもコストコ化の要因と言えます。
コストコが圧倒的に安く販売できる理由として挙げたいのが、決済です。
基本クレジットも日本nカードでは余り連携していないアメックスしか使えないし、paymentも全く使えません。これら決済を導入すると1~2%の手数料を決済企業に渡さなくてはなりません。圧倒的に安い商品で会員化することで囲い込みが出来ているのでコストアップを抑制できている事例になります。会員ビジネスはよく考えられた仕組みだと思います。
Amazonのジェフベゾスがアマゾンプライムを始める時に、コストコに相談に行ったというのは有名な話です。世界一の会員制小売業それがコストコです。


最後まで読んでいただき有難うございました。食品販売業への小売業に挑戦しようと思われている方は、退職する前に採用情報を得る為に転職支援サービス(完全無料のサービスのみ)を利用することをお薦めします(退職はいつでも出来ます!)。一般的に広く出されている求人に加えて、非公開の求人情報を得ることができます。頑張ってください!応援しています。
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