スーパーマーケットの世界へようこそ!
今回はマーケティングのお話をしたいと思います。
その中でも今回のテーマは”ターゲッティング”です。
「いつ」「誰に」「何を売るのか?」という戦略を立てるために必要なお客様理解の話をしたいと思います。
世代によって商品に感じる価値(魅力)は違います。
例えば、鰻の蒲焼きの場合「高くても国産が買いたい」という世代と「味がそんなに変わらないなら安い輸入品が買いたい」という世代に分かれます。
それはこれまでの人生においてその世代が感じてきた社会環境の違いによって醸成されています。
世代によって売るべき訴求ポイントを変えなければなりません。
今回はそんなお話です。それでは早速始めましょう!
本記事の信頼性
私は「販売職×食品」業界で、これまで2回の転職に挑戦してきました。
✅1度目は24歳の時”スケールアップ”転職
地域生協から一部上場GMSへ
✅2度目は30歳の時”ステージアップ”転職
一部上場GMSから県域一番の食品SMへ
売場責任者(主任)→バイヤー、店長、事業責任者へ
タイプの違う3つの食品小売企業で経験を積む業界のプロです。
【Twitter】https://twitter.com/masa_m2
2022年に業界知見をまとめた著書
「スーパーマーケットの新潮流」を出版しました。
世代の定義について
3世代 | 世代名 | 年代 | 時代背景 |
おじいちゃん おばあちゃん |
団塊の世代 | 1947年~1949年 | 貧困 |
お父さん お母さん |
バブル&団塊Jr世代 | 1965年~1974年 | 高度成長 |
こども・青年・成年 | ゆとり&Z世代 | 1987年~2010年 | 成熟社会 |
世代はさらに細かい分類などもあるのですが、食品小売マーケットの世界ではこの3つ分類が人数も多く、同じ嗜好をしているためターゲットにしやすいです。
①戦争後に生まれて貧困の中育った「団塊世代(現在75歳~76歳)」
は大人になって好景気を迎えて、今は引退している世代です。
②日本が高度成長期に育った「バブル&団塊Jr世代(現在49歳~58歳)」
は大人になってバブル~失われた20年(平成不況)の時代に
③豊かになった日本で育った「ゆとり&Z世代(現在13歳~36歳)」
は仕事より私生活を優先する時代に
世代で買う物が違う?
下記、インテージさんの「知るギャラリー」に面白い記事が掲載されています。
食品+飲料+酒類 156カテゴリのコーホート分析から読み解く変化の裏付け – 知るギャラリー by INTAGE
世代によって購買する商品が違うということが科学的に証明されているのです。
何だか分かるような気がしませんか??
【世代別で明確に購買に違いの出る菓子】
世代名 | 菓子 | シンボリックアイテム |
団塊の世代 | チュイングガム | キシリトールガム |
バブル&団塊Jr世代 | 錠菓 | ミンティア |
ゆとり&Z世代 | グミ | 果汁グミ |
「団塊の世代」はどんな人生を歩んできたのか?
「ALWAYS3丁目の夕日」という昭和を舞台とした映画が大ヒットしました。
それは何故なのか?主人公のこの少年は「団塊の世代」です。貧しかったけど古き良き時代を描いた名作です。ぜひご覧ください。
ALWAYS3丁目の夕日の一場面。団塊世代の子どもたちは東京タワーが建設中だったところを見ているのです。
(ゆとり・Z世代の子どもの時には東京スカイツリーが建設されましたが(下写真有))
この世代は幼い頃から民主主義教育や欧米カルチャーに囲まれて育ち、テレビや漫画雑誌、ミニスカート、ロックなど日本で初めてを多く経験した世代で、高度成長期を社会人として過ごした今の日本を作った世代なのです。感謝。
【消費行動の傾向】
無駄を嫌う節約志向が強い。戦後の困難な時期を経験しているため、購買意欲よりも貯蓄や賢い消費を重視する傾向があります。
ブランド志向が強い。高級品や有名ブランドに価値を見出す傾向があります。
家族や地域社会とのつながりを重視し、地元の小売店や伝統的な商店での買い物を好む場合があります。
「バブル&団塊Jr世代」はどんな人生を歩んできたのか?
中高生時代はツッパリ文化最盛期。
コギャルやチーマー、ファミコン、ジャンプ世代でもある。
前半のバブル世代の5割は正社員で大企業へ入社も、その後、リストラに合う!
→高級車、ブランド、トレンディドラマ
後半の団塊Jr世代は就職氷河期に入り、非正規社員やフリーダーとなる人も増えた。
※高度成長が止まり、世代の人数も圧倒的に多いため、人余りとなったことが原因。
→コンビニ、カラオケ、ネット文化
【消費行動の傾向】
◆バブル世代
豊かな時代を経験したため、消費意欲が高い傾向があります。高収入の仕事に就いたり、投資を行ったりして、高額な商品やサービスを求める傾向があります。
流行に敏感で、新しいトレンドやテクノロジーに積極的に参加します。
一時的なブームに乗ることも多く、インパルス買い※が見られることがあります。
※突発的な衝動や衝動によって商品を購入することを指します。つまり、あまり計画的ではなく、その場の気分や感情によって商品を買ってしまうことです
◆団塊ジュニア世代
団塊世代の子供たちであり、経済的に厳しい時期を経験しています。そのため、価格を重視し、割安な商品やサービスを選ぶ傾向があります。
ブランドよりも機能性や実用性を重視する傾向があります。
インターネットの普及により、オンラインショッピングを積極的に利用することが多いです。
「ゆとり&Z世代」はどんな人生を歩んできたのか?
少子化のため、競争が少ない環境で育つ。
リーマンショック、東日本大震災など、小さい頃から大人になるまで不景気で育った。
中高生から携帯電話を持ち歩き、SNS&デジタルネイティブの世代。
近年はアベノミクスで良くも悪くも貧富の差が広がった。
先ほど東京タワー建設中がありましたが、こちらの世代ではスカイツリー建設中。
【消費行動の傾向】
◆ゆとり世代
バブル世代の子供たちであり、比較的豊かな環境で成長した世代です。そのため、消費意欲が高く、自己表現を重視して個性的な商品やサービスを求める傾向があります。
オシャレやトレンドに敏感で、ファッションやライフスタイルにこだわりを持つことが多いです。
スマートフォンやSNSの利用が普及しているため、インターネットでの情報収集やオンラインショッピングが主流です。
◆Z世代
デジタルネイティブであり、スマートフォンやインターネットを当たり前に使いこなします。
オンラインショッピングが主流であり、実店舗よりもネットでの購入が多いです。
環境にやさしい商品や持続可能なサービスを重視し、社会的な意識が高い傾向があります。
【重要】3世代の購買への価値観を探る
それぞれの世代の特徴を一覧表でまとめてみました。
世代 | 性質・思考 | 生活・文化 | 今の食嗜好 | 健康 | 世代シンボルアイテム |
団塊の世代 | 競争心強い | 欧米ファッション | 栄養バランス | ダイエットより健康 | スーパードライ |
頑張れば報われる | 欧米音楽 | 和食 | オリーブオイル | ||
家庭より仕事 | 車 | 品質・産地重視 | トマトジュース | ||
バブル& 団塊Jr世代 |
自分達が最先端 | トレンドセッター | 家族の健康 | 加齢による衰え(成人病も)が気になり始める | 新ジャンルビール |
仕事は自分が生み出す | 貯蓄より消費 | 家族と食事 | 体形/肥満が気になる | ボトルコーヒー | |
ジェンダー意識強い | 男らしさ女らしさ | 内側から美容 | ダイエットと美容 | 今日の大皿 | |
ゆとり& Z世代 |
将来に希望を持たない | ワークライフバランス | 子ども中心 | スマホで健康管理 | ノンアル・低アル |
仕事は目的 | ネットで人間関係 | こってりも大好き | ジュース | ||
超安定志向 | ジェンダーレス | 不足栄養は補給 | 外見重視 | 何でもコンソメ | |
ドライな人間関係 | ファストファッション | 時短重視 | バーモンドカレー |
それぞれの世代で思考が全く違うことが分かりますね!
ターゲットを見極めよう
商品を販売する時に、誰に何を買ってもらいたいのか?が明確である必要があります。
例えば、あなたが販売の仕事をしているのであれば、今月の重点販売商品のターゲットが自店に合っているのかを見極めて発注するということです。シニア向きの商品を街中店舗で販売しても売れませんし、その逆に若者向けの商品は他の店舗より売れるはずです。
商品開発をする時は更に重要です。
今回開発する商品のメインターゲットは3世代の中のどれなのか?どの嗜好に合う特徴をもつ書品なのか?考え抜く必要があります。私も経験がありますが、ターゲットがぼやけると間違いなく売れません。
それは価格設定でよく分かります。団塊世代やバブル世代がメインターゲットであるなら、自身のある味、品質であるなら利益のとれる強気のプライシングでも売れますが、小さな子供を持つゆとり世代に向けた商品が高価格(高品質高価格)であれば間違いなく手にとってはいただけないです。ターゲットを見てプライシングを行ってください。
これからの日本の世代構成(人口ピラミッド)はどうなっていくの?
ターゲットを決める参考にしていただきたくて、日本の世代別構成比を添付しておきます。
どちらにしても日本は少子高齢化で人口減少社会です。その中でどのポジションを取って生き残っていくのか戦略を立てる必要があります。ぜひ参考にしてみてください。
【日本全体の人口予測と3世代の構成比推移】
表1-1 総数,年齢3区分(0~14歳,15~64歳,65歳以上)別総人口及び年齢構造係数:出生中位(死亡中位)推計 | ||||||||||||
年 次 | 人 口(1,000人) | 割 合(%) | ||||||||||
総 数 | 減少率 | 0~14歳 | 減少率 | 15~64歳 | 減少率 | 65歳以上 | 減少率 | 0~14歳 | 15~64歳 | 65歳以上 | ||
7 | (2025) | 123,262 | 100.00% | 13,633 | 100.00% | 73,101 | 100.00% | 36,529 | 100.00% | 11.1 | 59.3 | 29.6 |
12 | (2030) | 120,116 | 97.45% | 12,397 | 90.94% | 70,757 | 96.79% | 36,962 | 101.19% | 10.3 | 58.9 | 30.8 |
17 | (2035) | 116,639 | 94.63% | 11,691 | 85.76% | 67,216 | 91.95% | 37,732 | 103.29% | 10.0 | 57.6 | 32.3 |
22 | (2040) | 112,837 | 91.54% | 11,419 | 83.76% | 62,133 | 85.00% | 39,285 | 107.54% | 10.1 | 55.1 | 34.8 |
27 | (2045) | 108,801 | 88.27% | 11,027 | 80.89% | 58,323 | 79.78% | 39,451 | 108.00% | 10.1 | 53.6 | 36.3 |
32 | (2050) | 104,686 | 84.93% | 10,406 | 76.33% | 55,402 | 75.79% | 38,878 | 106.43% | 9.9 | 52.9 | 37.1 |
37 | (2055) | 100,508 | 81.54% | 9,659 | 70.86% | 53,070 | 72.60% | 37,779 | 103.42% | 9.6 | 52.8 | 37.6 |
42 | (2060) | 96,148 | 78.00% | 8,930 | 65.50% | 50,781 | 69.47% | 36,437 | 99.75% | 9.3 | 52.8 | 37.9 |
【年代構成ピラミッド】
これから日本は逆三角形という世界で初めての人口構成の時代を経験することになります。
どのような社会になっていくのでしょうか?とても大切な問題ですね。
「販売職×食」業界で働いてみませか?
新卒で入った会社での自分の成長が感じられなくなりました。
先輩社員を見てると自分の将来が心配で・・。
若いうちに有益な経験を積んでおきたいと思い転職を考えているのですが、どう進めるのが良いのか・・悩んでいます。
そんな方にスーパーマーケット業界をおすすめします!
スーパーマーケット業界で働くメリットは、
【業界の特徴】
①仕事の汎用性が高く、現場のスキルを獲得することで日本中どこのスーパーでも正社員として働くことができます(専門性がある仕事)。
②”お客様のおいしい笑顔と健康をつくる”他者貢献の仕事です。
③”食べる”は不況に強い。コロナ禍ではむしろ売上が伸長する等、世の中の情勢に左右されにくい安定した業界です。
④お店の仕事だけではなく仕入担当(バイヤー)、物流管理、施設管理、人事総務、関連会社への出向など幅広い仕事をすることができます。
そんなスーパーマーケット業界にナビゲートします!
1st.転職への戦略を練ろう!
まず転職をすることを決意した時にはスケジュールを組む必要があります。
会社に退職の意思を示してから8か月以内に就職するのが良いと思います。
上図を参考に、ご自身のスケジュールをイメージしてみてください。
何だか心のモヤモヤが晴れ、ワクワクしてきませんか?
2nd.最強の「転職・攻略の書」と共に準備を進める
日本で最も就職が難しかった時代のことを「就職氷河期」と言います。
バブルがはじけ、先の見えない長い不況に入り(失われた30年と言われる)、しかも子供の数が一番多かった団塊Jr世代が就職・転職活動をしていた時代です(1995年~2005年)。
その時代に最も有名で、最強の書と言われていた本が「面接の達人(通称:メンタツ)」です。
私もこの本を参考に転職を成功させてきた1人であり
履歴書はどんなことを書くのか?面接ではどんなことを話すのか?それは”2つ”に絞られる
ということが分かりやすく書かれており普遍的で読みやすいのでおすすめです。
【中谷章宏さん紹介】~リーダー論の講演より~
↓ 「面接の達人」の内容を詳しく知りたい方はコチラの記事をご覧ください!
3rd.良い企業の面接がGetできる「プロの転職サイト(完全無料)」を使う
退職すると失業保険の手続きでハローワークに行き、求人情報を閲覧することができますが、大手の優良採用募集はあまりないと思います。
なぜなら優良の採用募集は、募集を出す媒体が事前に決まっているからです。
企業は質の高い人に来てほしい。日本には解雇規制があるので一度雇用したら解雇することが出来ないからです。失敗したくないので、きちんと転職サイト(エージェント)で人材を選別してもらい優秀な人を集めた中から採用したいと思うからです。
しかし多くの転職サイト(エージェント)に登録しても情報の整理が出来なくなるだけです。
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今回も最後まで読んでいただき有難うございました。
今後も有益な情報が提供できるよう頑張ってまいります!
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