今回はスーパーマーケットってどんな仕事なんだろう?という方に向けて
食品スーパーマーケットの正社員になったとしたら…という、バーチャル体験をしていただきたいと思います。
スーパーに入って最初は店舗の「部門」に配属になります。
最近では食材を販売するだけではなく、食材を調理して「惣菜」として販売することで価値(利益)を生むことが大切になっていますので「惣菜部門」に配属された正社員の仕事体験をしていただこうと思います。
本記事の信頼性
私は「販売職×食品」業界で、これまで2回の転職に挑戦してきました。
✅1度目は24歳の時”スケールアップ”転職
地域生協から一部上場GMSへ
✅2度目は30歳の時”ステージアップ”転職
一部上場GMSから県域一番の食品SMへ
売場責任者(主任)→バイヤー、店長、事業責任者へ
タイプの違う3つの食品小売企業で経験を積む業界のプロです。
【Twitter】https://twitter.com/masa_m2
2022年に業界知見をまとめた著書
「スーパーマーケットの新潮流」を出版しました。
部門チーフになるには
正社員で入社して、最初は見習いの時期になります。
企業によって違いますが、小さい企業であれば1年、教育がしっかりした大きな企業であれば
2~3年、部門チーフの下で働き、スキルが身についたと判断されたらチーフに昇格します。
スーパーマーケットではチーフになったところからが本番です。
そして一番面白い仕事もチーフです。
出勤~開店まで
出勤時間は、ズバリ8時です。お店のオープンは9時のところが多いと思います。惣菜チーフは概ね、開店1時間前に出勤します。
【着替え】
タイムカードを押して、制服に着替えます。企業によって違うとは思いますが、正社員はワイシャツにネクタイ、スラックスと革靴に制服羽織ってと帽子を被って作業場に入ります。
【朝一番にやること】
事務所で前日の売上の確認です。パソコンで昨日の惣菜部門の売上と単品の販売数、値引き金額がいくらあったのかを確認します。売上が予想より少ない時は製造する商品が足りなかったということになります。月間の売上目標を達成するために毎朝、売上を確認しなくてはなりません。この売上を上げる事こそが最大のミッションなのです。
【メールを確認】
スーパーは363日(元旦と1月2日が休み)ほぼ毎日営業していますので、皆でシフトを組んで交代で勤務しています。店長から、バイヤーから、人事や総務などから、メールが来ています。出勤時と昼、帰る前の3回は必ずメールを確認しなくてはなりません。
【さぁ、売場へ】
売場の開店前は、まだお営業用の電気が点いてないため、少し暗いです。
「おはようございま~す」
各部門の方と挨拶をしながら惣菜部門へと向かっていきます。
朝一は牛乳やヨーグルト、豆腐や納豆、パンなど早朝便で届いた商品を棚に陳列してるチームなどがテキパキ働いています。みんな手慣れた手つきで消費期限を確認しながら商品を棚に入れていきます。こちらの部門も面白いですが、並べるだけなので、正社員は惣菜へ。
惣菜作業場に到着し、早朝パートさんに挨拶。さあ今日も楽しい一日が始まります。
出来ている惣菜に「値段ラベル」を貼り付けながら、どんどん商品を陳列していきます。
朝一番に来店されるお客様に1種類でも多くの商品を用意できれば、売り上げが上がる可能性があるからです。
開店からお昼まで
【午前中は製造する時間】
午前中に一日に作る商品の7割を作ります。揚物、焼き物、米飯(弁当)、寿司などパートさんがその日の担当に分かれて商品を製造してくれますので、チーフは値段を付けて並べていきます。(補足:アウトパックといって惣菜工場で作ったものを並べるだけのものもあります)
店舗規模にもよりますし、寿司が惣菜なのか水産なのか、企業によって違いますが、概して惣菜部門は他部門より多くの従業員が所属し大人数です。
【商品は全てレシピ化されている】
商品は全て本社でレシピ化されており、下ごしらえが済んだチルドキットか、冷凍食品+ソース+カット野菜の様になって、レシピ通りに調理をしていけば良いようになっており、短時間で同じ味の惣菜を大量に製造することができます。
【売場を作りながらチームを動かすのがチーフの役割】
商品を陳列していきながら、売場でお客様対応や店内放送をしながら、商品を販売していきます。作って売場に置くだけでは駄目です。”売る”のが仕事です。
パートさんと世間話などしながら、ご本人の体調やご家庭に変わりが無いか、従業員同士で争いが起こっていないかなど、職場環境を守る権限をもった正社員として「働き易い職場」を作るのもチーフの大切な仕事です。
たまに居ますが、俺は偉いんだ!と威張っている人は良いチームを作れないでしょう。
勿論、何かあれば、店長と相談しながらパートさんの配置換えや新規採用をお願いするなど、惣菜部門の責任者として人のマネジメントをすることが安定した製造ができる基礎になります。
人が居たり居なかったりでは、適切な量の商品を作って行けません。
【午前中はとにかく弁当を作る】
午前中に売上を作るには、とにかく弁当をしっかり作らなくてはなりません。
お弁当は398円、498円、598円と他の商品より値段が高く、当然ですがお昼に集中して売れます。売場の一番目立つところでしっかりと販売していきましょー!
【午前の製造がおわったら清掃】
午前の商品の製造が終わったら、清掃して一度惣菜をクローズします。揚物を揚げるフライヤーなどは油を落としてろ過機を通して午後に備えます。
【発注業務】
昼に発注を行います。良く売れた物は計画を上方修正し発注を増やしたり、売れない商品はカットして在庫を売り切りにかかります。冷凍庫や冷蔵庫にある食材の在庫を見ながら発注していきますが、冷凍庫や冷蔵庫を常に整理整頓すると在庫があとどのくらいあるのか掌握できるようになります。
これは私の持論ですが、冷凍冷蔵庫にしっかり目と手を入れて在庫と毎日正確に確認することが大切です。在庫整理を他の人に任せてはダメです。「在庫を制する者は、惣菜を制す」です。
午後から夕方まで
他の部門と少し違うのは、お惣菜は昼に余裕があるところです。
お昼の販売ピークが終わったら、次に売れる波が来るのは16時以降なので、15時くらいから忙しくなりますので、それまではゆっくりと休憩が取れます。
【事務仕事】
お昼休憩をとったら、製造計画や作業シフト、自部門の勤務表などを作ったりする事務作業を行います。新しいレシピなどを見ながら、どれをメインで売り込もうかなぁと計画をたてるのは、戦略的でとても面白いです。自分で売場を作ることができるのが最高に面白いところです。
【午後の作業】
15時くらいに売場に戻ったら、まず売場の整理を行います。メインスペースを「弁当」から「おかず惣菜」にシフトしたり、売れた商品、売れなかった商品を把握するためです。
夕方からは弁当よりおかずやおつまみが良く売れます。
唐揚げ、コロッケ、メンチカツ、とんかつ、焼鳥、餃子、、出来立てを夕方ピークに向けて作り込み、売場に積み上げていきます。
【とにかく出来立てをアピールする物が勝つ】
店内放送をかけながら、売り込んでいきます。お客様がパックを触ってアツアツを確かめて買い物かごに入れていき、売場が少なくなっていくのを見ながら追加製造を掛ける・・最高に楽しい瞬間です。商品がアツアツである=価値です。
夕方になるとアルバイト諸君が出勤してくるので、値引きの打合せをして掃除、簡単な餃子や唐揚げなどは追加製造の指示をします。自分が帰った後も製造方法を教えておけば自動で売上を増やす事ができます。夜間店長に声かけもお願いしながら・・・
普段のコミュニケーションが大切ですね!
【本日の作業終了】
夕方の売場が完成したら、夜間店長にバトンタッチですが、中間売上を見て最終着地予測を店長に報告し、明日のシフトや計画書を確認して帰宅します。
合言葉は「準備8割実行2割」。本日もお疲れ様でした~!
【一生食べるのに困らない】惣菜の仕事を身に付けると未来が明るくなる
惣菜業務を数年間、一生懸命続けると売上の上げ方や利益の取り方が分かってきます。
➡惣菜の売上を上げる極意
「お客様がこの時間に欲しいだろうという商品を綺麗に作り切り、しっかり美味しさをアピールする売場を作りながら、店内放送を絡めて”出来立て惣菜”を提供する」
➡利益を上げる極意
「計画を立てて仕入れを行い、常に在庫を見ながら発注修正し、売れ行きに応じて商品の製造数を増減させ、なるべく少額の値引きで売り切りながら商品廃棄を最小限に抑え、不良在庫を作らない」
この2つを身に付けるだけで、日本中どこのスーパーの惣菜部門に行っても働いて活躍することができるはずです。これで社会の中で自分の居場所が無いかもしれないという恐怖から卒業できます。それが”本当の意味で自立した”ということになると私は思います。
スーパーマーケットであれば、どこの惣菜部門も同じなんです。私は2社の毛色が違う有名スーパーで働いた経験があるので断言できます。
贅沢はできませんが必要最低限の収入を確実に得ることができるという状態を手に入れると、心に余裕が生まれます。明るい未来を手に入れた瞬間です。
20代でここまで到達できれば、次の「バイヤー」や「店長」のステージに進むことになります。それでは今回はここまでです。
「販売職×食」業界で働いてみませか?
新卒で入った会社での自分の成長が感じられなくなりました。
先輩社員を見てると自分の将来が心配で・・。
若いうちに有益な経験を積んでおきたいと思い転職を考えているのですが、どう進めるのが良いのか・・悩んでいます。
そんな方にスーパーマーケット業界をおすすめします!
スーパーマーケット業界で働くメリットは、
【業界の特徴】
①仕事の汎用性が高く、現場のスキルを獲得することで日本中どこのスーパーでも正社員として働くことができます(専門性がある仕事)。
②”お客様のおいしい笑顔と健康をつくる”他者貢献の仕事です。
③”食べる”は不況に強い。コロナ禍ではむしろ売上が伸長する等、世の中の情勢に左右されにくい安定した業界です。
④お店の仕事だけではなく仕入担当(バイヤー)、物流管理、施設管理、人事総務、関連会社への出向など幅広い仕事をすることができます。
そんなスーパーマーケット業界にナビゲートします!
1st.転職への戦略を練ろう!
まず転職をすることを決意した時にはスケジュールを組む必要があります。
会社に退職の意思を示してから8か月以内に就職するのが良いと思います。
上図を参考に、ご自身のスケジュールをイメージしてみてください。
何だか心のモヤモヤが晴れ、ワクワクしてきませんか?
2nd.最強の「転職・攻略の書」と共に準備を進める
日本で最も就職が難しかった時代のことを「就職氷河期」と言います。
バブルがはじけ、先の見えない長い不況に入り(失われた30年と言われる)、しかも子供の数が一番多かった団塊Jr世代が就職・転職活動をしていた時代です(1995年~2005年)。
その時代に最も有名で、最強の書と言われていた本が「面接の達人(通称:メンタツ)」です。
私もこの本を参考に転職を成功させてきた1人であり
履歴書はどんなことを書くのか?面接ではどんなことを話すのか?それは”2つ”に絞られる
ということが分かりやすく書かれており普遍的で読みやすいのでおすすめです。
【中谷章宏さん紹介】~リーダー論の講演より~
↓ 「面接の達人」の内容を詳しく知りたい方はコチラの記事をご覧ください!
3rd.良い企業の面接がGetできる「プロの転職サイト(完全無料)」を使う
退職すると失業保険の手続きでハローワークに行き、求人情報を閲覧することができますが、大手の優良採用募集はあまりないと思います。
なぜなら優良の採用募集は、募集を出す媒体が事前に決まっているからです。
企業は質の高い人に来てほしい。日本には解雇規制があるので一度雇用したら解雇することが出来ないからです。失敗したくないので、きちんと転職サイト(エージェント)で人材を選別してもらい優秀な人を集めた中から採用したいと思うからです。
しかし多くの転職サイト(エージェント)に登録しても情報の整理が出来なくなるだけです。
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スーパーマーケット業界のすべてを解説
今回も最後まで読んでいただき有難うございました。
今後も有益な情報が提供できるよう頑張ってまいります!
スーパーマーケットのビジネスモデル シリーズ