Mr.Children名曲の旅『【es】~Theme of es』~人生は本質とは何なのか?不変のメッセージソング~

【es】MUSIC VIDEO

【es】歌詞

【es】~Theme of es~ HISTORY

【リリース】1995年5月10日
【セールス】157.2万枚
【作詞・作曲】桜井和寿
【プロデュース】小林武史

楽曲制作よりも先にミュージック・ビデオが撮られた。歌詞が存在しないまま札幌で行われたレコーディングの事前準備の翌朝に阪神・淡路大震災が発生し、その約10日後に歌詞が完成したという。

サビの歌詞「何が起こっても変じゃないそんな時代さ覚悟はできてる」は、阪神・淡路大震災にインスパイア(強い影響を受ける)されている。

詞のモチーフとして使われた「es」は心理学用語であり、次作『シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜』の歌詞には、esを反映する自我意味する「エゴ」という単語が使われ、前作『everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-』のジャケットには「es」というロゴの入ったTシャツを着た「es君」が登場している。

フロイトの【es】心理学用語解説!

エスは、ヒトにとって完全に無意識的なものであり、ヒトの精神エネルギーの源泉である。エスは快楽原則(今すぐにでも欲求を満たして不安や苦痛を取り除こうとする)に従うため、善悪や論理的な判断は存在せず、欲求のままに行動する「本能」がむき出しといえる。そのため自我は、自分の中にあるとは気付かない「エス」の存在によって翻弄されている。

このエスに対して、超自我(スーパーエゴ)は人間の精神機能の中で、ルールや道徳観、理性を担い、善悪の判断を行う。そして、エスと超自我からの欲求を、自我(エゴ)が調整しているという構図がある。つまり、「超自我」は直接的に、あるいは「自我」を介して間接的に、「エス」の支配に立ち向かっている。これが、フロイトが説明する人間の精神機能である。

出典:https://www.kango-roo.com/word/21191

劇場映画 Mr.Children in Film【es】解説

92年5月のデビューからわずか1年半、テレビ・ドラマ『同窓会』(日本テレビ)の主題歌としてリリースした『CROSS ROAD』のヒットとともに、スターの座を獲得したロック・バンド“Mr. Children”。出す曲出す曲がチャートのナンバー1に輝き、ミリオンセラーを記録するほどの彼らの活躍ぶりは、“ミスチル現象”という言葉を生むほど。

そんな彼らの94年の『INNOCENT WORLD』と95年の『ATOMIC HEART』の2つのコンサート・ツアーのステージの模様と、インタビューやプライヴェート・フィルムで構成されたドキュメンタリーが本作品。監督は“Mr. Children”のプロデューサーでもある小林武史。

精神分析用語であるタイトルの「es」とは、人を動かすエネルギーの源であり、快感原則に従って人を本能的に不快や苦痛から快楽に向かわせる欲望の欲求満足を目的とする精神機能のひとつのこと。『ジェラシー』『雨のち晴れ~シングル・ヴァージョン』『Tommorrow never knows』『奇跡の地球』『everybody goes~秩序のない現代にドロップキック』『CROSS ROAD』『innocent world』『【es】~Theme of es~』などのヒットナンバーが全篇を飾る。

1995年製作/112分/日本
配給:東宝(烏龍舎 提供)
劇場公開日:1995年6月3日

【es】~Theme of es~ 時代背景

CrossRoadから5作連続ミリオンヒットとなった本作。トップスターに駆け上がったミスチルにとっての葛藤を歌っているように感じる。

歌詞の中のフレーズ
「栄冠も成功も地位も名誉もたいしてさ、意味ないじゃん。今ここに居る自分をきっと誰もが信じてたいのさ、過ぎた日々に分かれ告げて君は歩き出す・・」
「何が起こっても変じゃない、そんな時代さ、覚悟はできてる、喜びに触れたくて明日へ・・僕を走らせるes」

桜井さん自身が成功に驕れること無く、今に慢心せず、新しい明日に向かって心のままに歩んでいく強い意思と決意を表明している曲のように思えてなりません。

そして1995年から時代は流れて、今思うこと

今振り返ると、1995年は時代の転換点でもありました。
明るい希望の芽としては、1月9日 – 近鉄バファローズの野茂英雄投手がMLB挑戦を表明し大活躍し日本プロ野球に新しい歴史を刻み、後に続く、佐々木やイチロー、大谷など大リーガーで世界的偉業を成し遂げた先駆けとなりました。

また11月23日には マイクロソフトがWindows 95日本語版が発売され、パソコンの活用が本格的となりました。時代がアナログからデジタルへに切り替わった、まさに新時代の転換点です。

不安の芽としては、1月17日  午前5時46分に明石海峡を震源とする直下型地震、「兵庫県南部地震阪神・淡路大震災)」が発生しました。この後、2011年に東日本大震災が発生する等、天災は定期的に発生し、いつ何が起こるか分からない状況は多くの日本人の人生観を変えたとも言えます。

当時の社会状況を表わす一番大きな事件としては、3月20日に発生した「 地下鉄サリン事件」や4月23日 に発生した「村井秀夫刺殺事件。オウム真理教幹部(当時)であった村井秀夫が、港区南青山にあった教団本部にて多くの報道陣が取り囲む中、暴力団構成員を名乗る男に刃物で襲撃され、翌24日未明に搬送先の病院で死亡した事件。
に代表される宗教法人(現在は解散)テロリスト集団である「オウム真理教」が起こした一連の事件は日本社会に巣くう闇が表面化したものであったのではないでしょうか。

あれから約30年、野茂が大谷になり、WindowsはGAT GPTになり、オウム真理教はスマホやSNSに代わったが、”何が起きても変じゃない、そんな時代さ覚悟はできてる、喜びに触れたくて明日へ、僕を走らせるes”というフレーズは色褪せず、30歳年を重ねた自分にも同じように心に響く人生の本質を表わす不変のメッセージなのだと思います。

Mr.Children 名盤 【Mr.Children 2001-2005<micro>】紹介

優しい歌を含む同時代リリースのベストアルバムを紹介します!

1 優しい歌
2 youthful days
3 君が好き
4 蘇生
5 Drawing
6 いつでも微笑みを
7 Any
8 HERO
9 タガタメ
10
11 くるみ
12 Sign
13 and I love you
14 未来
15 ランニングハイ

Mr.Children名曲の旅ラインナップ

Mr.Children 名曲の旅 『Tomorrow never knows』~若者たちのすべて主題歌/若者の心を唄ったミスチル史上最大のヒット作~
Tomorrow never knowsは【リリース】1994年11月10日【販売枚数】276.6万枚を記録しMr.Childrenのシングルでは最大のヒット作となりました。『Tomorrow never knows』と『innocent ...
Mr.Children時代を紡ぐ歌『NOT FOUND』時代の闇に立ち向かう当時の若者の心を激しく打った歌
当時の若者(団塊Jr世代)は「引きこもり」や「パラサイトシングル」などに表れているように結婚しない・できない人が増え、第三次ベビーブームが起きず人口減少を決定づけた日本の転換点でもあった。SNSの普及により立場の弱いものが泣き寝入りしなくて良くなった令和。それまでに弱いものが自己責任論で淘汰されていた時代であったことを忘れてはならないと思う。
Mr.Children 名曲の旅 『名もなき詩』~ミスチルのアイデンティティソング~
名もなき詩は、日本中が沸き立ったバブルが弾け飛び、「失われた10年」と言われる長きにわたる不景気で日本全体に停滞感が漂っていた時代・・・ 逃げ場の無い競争社会の中で、もがき苦しむ当時の若者に”生きる勇気”を届けてくれたのが「名もなき詩」でした。ミスチルファンのアイデンティティでもあるこの楽曲は今でもコンサートで全員が大合唱するのです。ぜひ聴いてみてください。                       
Mr.Children 名曲の旅 『Over』数あるミスチルの失恋ソングの中で最も染みるナンバー
Overは、ミスチルの歴史上最も売れたCDアルバム「AtomicHeart」の最後の曲として収録されています。このアルバムは343万枚を売り上げ、当時の邦楽アルバムで歴代最高枚数を記録しました。このミスチル旋風を巻き起こした「AtomicHeart」の数ある収録曲の中でも「Over」は特別な楽曲で、ファンの中で知らない人は“絶対にいない”名曲中の名曲です。
Mr.Children 名曲の旅 『終わりなき旅』ミスチル史上最高傑作
今回はミスチルの数ある名曲の中でも最高傑作と言われる「終わりなき旅」を紹介したいと思います。私も何度この歌に助けられたことか(涙)人生を俯瞰し、目の前にある壁を乗り越える大切さを伝えてくれるメッセージが詰まった楽曲です。流行りの曲ではなく人の人生を音楽と歌詞で表現した芸術作品とも言えます。
Mr.Children 名曲の旅 『365日』~父と息子の365日~
Mr.Childrenの不朽の名曲「365日」の解説です。365日は、アルバム「SENSE」収録の1曲でシングルカットされていないのにミスチルのYOUTUBE再生回数ランキングで1位となっている人気の楽曲です。歌詞の内容としては、恋人へのラ...
Mr.Children 時代を紡ぐ歌『everybody goes~秩序の無い現代にドロップキック~』時代に一撃くらわせた痛快Rock★
Tomorrow never knowsで若者の繊細な心の内を壮大に描き、ミスチルの世界観が世の中に浸透し、空前の大ヒットを飛ばしている最中、突如リリースされたのが、そのイメージとは真逆のeverybody goesでした。バブルがはじけ日本経済がぼんやりと将来に不安を抱え、次世代を担う若者も援助交際やオウム真理教問題など心の闇が顕著化する中「この現状を打破せよ」とばかりに世の中にドロップキックを放つ曲をリリースしたのでした。
Mr.Children名曲の旅『箒星』人は輝きを放ちながら進みゆく箒星
箒星は、軽快でリズミカルな旋律と、夢や希望に満ち溢れた歌詞が心を躍らせるナンバーです。箒星とは「ハレー彗星」に代表される、夜空に流れ星の様に尾を引きながら輝き続ける幻想的な天体現象の事ですが、この箒星と“輝きながら進んでいく二人”を重ね合わせたロマンチックなナンバーでもあります。
Mr.Children時代を紡ぐ歌『優しい歌』9.11と家族の絆
優しい歌の歌詞を追っていくと、1番~3番に向けて心の変化を感じ取ることができます。それを追っていくとわかるのが、強くなれる時、それは自分自身の幸せのためではなく、誰かの幸せのためを想う時であるということ。誰かのために歌う愛の歌が、喜びに満ち溢れるこの「優しい歌」なのです。
Mr.Children名曲の旅『CROSS ROAD』~ミスチル初のミリオン達成と50週チャートインした初期の名作~
CROSS ROADはミスチル初のヒット曲であり、初ミリオンセラーとなった記念すべき楽曲です。ミスチルに「ドラマの主題歌の話がある」という情報が伝えられ、桜井さんがドラマの第1話の台本を読みながら曲作りをするなかで、完成形が見えてくると「遂に100万枚セールスする曲が出来た!」と叫んだというエピソードは有名な話です。
プロフィール
この記事を書いた人
Masa-kun

【X】https://twitter.com/masa_m2「販売職×食」業界の専門家|経歴:生協、GMS、食品SM|職務:バイヤー、店長、ネットスーパー、マーケティング(MD立案)|「販売職×食」業界の歩き方、昇り方、渡り方について発信します。【電子書籍】アラフィフ転職 完全ガイド・・40代50代転職について自身の実体験をベースに著した戦略の書。キャリアを総決算し新しい働き方を提案します。
【電子書籍】スーパーマーケットの新潮流・・食品小売業界に起きている最新情報を現場感覚、学術研究、実地調査の3点をもって検証しました。スーパーマーケット(店舗事業)と生鮮宅配(宅配事業)のこれからのトレンドが理解できる一冊になっています。

Masa-kunをフォローする
モチベーション
Masa-kunをフォローする
タイトルとURLをコピーしました