私は食品小売り業界で25年以上働いてきました。
その中で、いままで働けなかった方が社会復帰する時にスーパーマーケット業界が向いているのではないかと思うことが幾度かありました。
実際に現場で「自分は引きこもりです。でも、社会復帰したくて仕事を探しています」といって入社された青年と一緒に仕事をしたことがあります。とても良く頑張っておられ、チームにも大切にされる存在となりました。
記事の前に”引きこもりの現状”を記載しておきます。
外出をほとんどしない状態が長期間続くいわゆる「ひきこもり」の人は、15歳から64歳までの年齢層の2%余りにあたる推計146万人に上ることが、内閣府が去年11月に行ったアンケート調査でわかりました。
内閣府は、いわゆる「ひきこもり」の実態を把握するため、去年11月、全国の10歳から69歳の合わせて3万人を対象にアンケート調査を行い、1万3769人から回答を得ました。
結果として、引きこもり状態が6か月以上続いている人は2%余りで、推計でおよそ146万人に上るとしています。
年齢層別に見ますと、15歳から39歳の子ども・若者層では、7年前に公表された調査の1.57%から2.05%に、40歳から64歳の中高年層では、4年前に公表された調査の1.45%から2.02%に増えているそうです。
出典:NHK/NewsWeb
引きこもりの方に社会復帰のキッカケとしてスーパーマーケットの仕事がおすすめな理由について解説していきます。
【注意】当然、色んなお店や企業がありますので、一律同じではありません。一般的な業界の話であることをご了承ください。
本記事の信頼性
私は「販売職×食品」業界で、これまで2回の転職に挑戦してきました。
✅1度目は24歳の時”スケールアップ”転職
地域生協から一部上場GMSへ
✅2度目は30歳の時”ステージアップ”転職
一部上場GMSから県域一番の食品SMへ
売場責任者(主任)→バイヤー、店長、事業責任者へ
タイプの違う3つの食品小売企業で経験を積む業界のプロです。
【Twitter】https://twitter.com/masa_m2
2022年に業界知見をまとめた著書
「スーパーマーケットの新潮流」を出版しました。
理由①働く時間、業務内容がいろいろあり選べぶことができます
まず社会復帰するにあたり、スーパーマーケットでの契約は、正社員ではなくパートタイマー(時間契約)が良いと思います。
基本、週休2日で”時給〇〇円で1日に何時間働きます”という契約形態です。
※募集しているお店の募集要項をご覧ください
一般的に契約時間は、①ショート契約と②ロング契約の2種類あります。
①ショート契約とは
「早朝だけ、午前だけ、午後だけ、夜だけ」の1日4時間程度の勤務
時給1,000円であれば、月給は1,000円×4時間×22日=88,000円くらい
※税金などの控除があり、手取りは少し減る
②ロング契約とは
一日7時間程度の勤務(一般的には8時から16時までが多い)
時給1,000円であれば、月給は1,000円×7時間×22日=154,000円くらい
※社会保険へは強制加入(健康保険証と厚生年金加入)で扶養から外れます
※社会保険など控除があり、手取りは多少減る(数万円程度)
つぎに業務内容ですが、一般的なスーパーマーケットの業務としては
「①レジ」「②早朝陳列」「③一般食品の陳列」「④惣菜や鮮魚、お肉、寿司、ベーカリーなどの店内製造」などがあります。
①レジ・・・お客様が購入した商品を清算する業務。近年は機械が進化し昔ほど難しくなくなっているが、ペイメントなどの新しい仕事も増えたりもする。お客さまに声かけしてカード会員を獲得するなどの営業活動もあります。
②早朝陳列・・・お店が開く前に牛乳やパン、豆腐、お肉、野菜など深夜に入荷した商品を陳列する仕事。早起きして午前中に終わる仕事。お昼から他の仕事をしている人など訳ありの人も在籍。商品を置く場所を覚えてしまえば簡単であるが、それまでが大変。スピードも必要。
③一般食品の陳列・・・一見、一番綺麗で簡単そうに思えますが、アイテム数は数千アイテム、重いものも多く、開店後なのでお客様からの問い合わせも多い。レジ応援もする必要があるなど、花形ではあるが、その分大変な面もあります。
④惣菜や鮮魚、お肉、寿司、ベーカリーなどの店内製造・・・お店の中の作業場で、食材を加工する仕事。お惣菜を作ったり、魚を捌いたり切ったり、お肉を切ったり、お寿司を作ったり、パンを焼いたりサンドイッチを作ったりする仕事。
私のおすすめはこれです。
何故か?
①②③はお客様と接触が多くストレスが高いからです。
④も同僚とのコミュニケーションがありますが、基本言われたことをレシピ通りにやるだけなので、一人で黙々と仕事をするというスタイルです。一生懸命にやれば認められます。
一生懸命おいしい商品を作って、しかもその商品がよく売れて喜ばれる。
私も、仕事終わりの帰り道ほど清々しい時間はありませんでした。
理由➁スキルに汎用性があります
特に惣菜やベーカリー寿司についてはスキルが身に付きます。
一つの部門(例えば惣菜で揚物が担当できるようになった)ができるようになったのであれば、どこのスーパーでも働くことができるようになります。
それが大切だと思います。
スーパーマーケットの仕事は多少の違いはあっても、どこの企業もほぼ同じです。
一つの職場でしか生きていけないのはリスクが高すぎます。
汎用性のあるスキルを身につければ、行き詰ったときに場所を変えることができます。
それが良いのです!
理由③体力的な心配をすることは、そんなにありません
これも大きなメリットではないかと思います。
夏の炎天下、大雨の日、体調がすぐれない日、外仕事の場合は体力勝負の面があります。その点スーパーマーケットはいつもエアコンの効いた施設の中のでの仕事であることを挙げておきます。
変な言い方かもしれませんが、スーパーマーケットには老若男女、体や脳に障害を持った方も多く働いています。責任者になるのであれば少しは考えなくてはなりませんが、体力的に心配する必要はそんなにありません。
基本立ち仕事という面はありますが、女性を中心に妊婦さんからお年寄りまで働いている職場です。店舗勤務なので、勤務時間中はお店から出ることはありません。
理由④小難しい勉強は必要ありません
スーパーマーケットの管理者は知識やアイデアが必要ですが、現場業務という仕事においては小難しい勉強は必要ありません。働いて報酬を得ることが大切です。
✅言われたことを
✅ただひたすらに
✅契約時間の間だけ
✅一生懸命頑張って実行する
これで100点です。
同僚に自分と合う人、合わない人がいると思いますが、気にせず業務に集中して一生懸命やってください。求められるのは休まず出勤すること。無理のない時間を選んで、休む時に事前に現場責任者に相談するが〇です。
次に大切なのは、仕事の生産性と品質。
✅生産性とは「どれだけ早く(短い時間で)業務が完了するか」
✅品質とは「どれだけ綺麗に商品を作れたか」
自分の中でゲーム感覚で高めていくと面白いと思います。
【大切なこと】
大切なことを一つだけお伝えしておきます。分からないことはその場で聞きながらすること。恥ずかしがって分からないまま業務を続けると、結果として”全てやり直し”ということになることが多いです。
一度聞いたことはメモして毎日復習することで自分の成長を感じることができます。
一人で仕事を任せられるまでは、怒られてもしつこく聞きながら仕事をすればOKです。
最後に スーパーの仕事は人に喜んでもらえる仕事である
ここまで読んでいただき有難うございました!(感謝)
学校を出て今まで何のスキルも得ていない・・と思っているあなた。
スーパーマーケット業界向いています。スキル必要ありません。
真面目にコツコツ一生懸命、仕事に向き合う気持ちがあれば大丈夫です。
最初は4時間からが良いと思います。
人生を変えようと早起きができるのであれば、スーパーが開く前の”早朝さん”をすればよいです。3か月もすれば慣れます。早朝の10人ほどのチームですが社会とのつながりが生まれます。
あと、午後の4時間は競争率が比較的少ないので、入りやすい枠だと思います。
主婦は午後から子供が学校から帰ってきたり、夕食の準備などで早く帰りたいので、午前の仕事に募集が集中します。
午後にパートさんがいると、揚げたてのコロッケや唐揚げ、焼き立ての餃子、作り立てのお寿司などがお店に並びます。
夕方から夜にかけて出来立てを作ると売れます。喜ばれます。
自分の仕事がお客様の笑顔を作ります。私もそんな仕事が大好きです。
一緒のスーパーマーケット業界で仕事をしませんか
今回も記事を読んでくださり、本当にありがとうございました。
今後もスーパーマーケット業界の現場のリアルをお伝えしていこうと思っています。
何かご質問などありましたら「お問い合わせ」にメッセージをお寄せください。
ここからは正社員編⇒「販売職×食」業界で働いてみませか?
新卒で入った会社での自分の成長が感じられなくなりました。
先輩社員を見てると自分の将来が心配で・・。
若いうちに有益な経験を積んでおきたいと思い転職を考えているのですが、どう進めるのが良いのか・・悩んでいます。
そんな方にスーパーマーケット業界をおすすめします!
スーパーマーケット業界で働くメリットは、
【業界の特徴】
①仕事の汎用性が高く、現場のスキルを獲得することで日本中どこのスーパーでも正社員として働くことができます(専門性がある仕事)。
②”お客様のおいしい笑顔と健康をつくる”他者貢献の仕事です。
③”食べる”は不況に強い。コロナ禍ではむしろ売上が伸長する等、世の中の情勢に左右されにくい安定した業界です。
④お店の仕事だけではなく仕入担当(バイヤー)、物流管理、施設管理、人事総務、関連会社への出向など幅広い仕事をすることができます。
そんなスーパーマーケット業界にナビゲートします!
1st.転職への戦略を練ろう!
まず転職をすることを決意した時にはスケジュールを組む必要があります。
会社に退職の意思を示してから8か月以内に就職するのが良いと思います。
上図を参考に、ご自身のスケジュールをイメージしてみてください。
何だか心のモヤモヤが晴れ、ワクワクしてきませんか?
2nd.最強の「転職・攻略の書」と共に準備を進める
日本で最も就職が難しかった時代のことを「就職氷河期」と言います。
バブルがはじけ、先の見えない長い不況に入り(失われた30年と言われる)、しかも子供の数が一番多かった団塊Jr世代が就職・転職活動をしていた時代です(1995年~2005年)。
その時代に最も有名で、最強の書と言われていた本が「面接の達人(通称:メンタツ)」です。
私もこの本を参考に転職を成功させてきた1人であり
履歴書はどんなことを書くのか?面接ではどんなことを話すのか?それは”2つ”に絞られる
ということが分かりやすく書かれており普遍的で読みやすいのでおすすめです。
【中谷章宏さん紹介】~リーダー論の講演より~
↓ 「面接の達人」の内容を詳しく知りたい方はコチラの記事をご覧ください!
3rd.良い企業の面接がGetできる「プロの転職サイト(完全無料)」を使う
退職すると失業保険の手続きでハローワークに行き、求人情報を閲覧することができますが、大手の優良採用募集はあまりないと思います。
なぜなら優良の採用募集は、募集を出す媒体が事前に決まっているからです。
企業は質の高い人に来てほしい。日本には解雇規制があるので一度雇用したら解雇することが出来ないからです。失敗したくないので、きちんと転職サイト(エージェント)で人材を選別してもらい優秀な人を集めた中から採用したいと思うからです。
しかし多くの転職サイト(エージェント)に登録しても情報の整理が出来なくなるだけです。
無名で高額なサイトでは無く名の通った大手の「無料で利用できる」転職サイトに登録することをお薦めします。
悪い噂が立ったらメディアに取り上げられ企業の存続に関わるため、利用者が満足するサービスを確実に提供してくれるからです。
おすすめは、TVCMで一番流れている「マイナビ」
【”マイナビ転職”というフレーズで有名】
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スーパーマーケット業界のすべてを解説
今回も最後まで読んでいただき有難うございました。
今後も有益な情報が提供できるよう頑張ってまいります!